【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
長い攻防の末、三十点台にまで及んだ試合。どっちが勝ってもおかしくない試合だった。その結果、31-33で青城が勝利した。その後、四回戦へと駒を進めた青城は四回戦、ストレートで勝利を収めた。
「今日も徹カッコ良過ぎたー!」
「ねえ、ホント今からバレーすんの?」
「…いや、なんか今日はもうお腹一杯。」
「何?体調悪いの?」
「いや、そうじゃないんだけど…。」
「私、トイレ行ってくる。」
そう言ってマッキーは一足先に観客席を離れると、みのりんに青城の所に行こうと誘われたけど、岩ちゃんに惹かれていると自覚してしまった手前、今までみたいに岩ちゃんに気軽に話し掛けられないような気がしてみのりんの申し出を断った。するとみのりんはちーちゃんの手を引いて観客席を出て行った。
試合の余韻が抜けず、未だ観客席を立つ事が出来なかった。青城の応援に来ていた筈なのに、試合を見るというより、岩ちゃんの事ばっか見てた気がする。今まで意識していなかった…いや、意識しないようにしていた気持ちを自覚した途端、なんかもう色々と恥ずかしくて…。家に帰ったらお疲れ様とか明日も頑張ってねとか岩ちゃんに連絡入れた方がいいよね?いや、でも、なんかそれすら恥ずかしい…!考えれば考える程頭の中はごちゃごちゃになっていって、頭爆発しそう!
「…取り敢えず頭冷やそう。」
整理の出来ない気持ちを抱え、体育館の外へ出た。試合後の選手達に混ざり、顔を洗ったが、そんな事で自覚した気持ちが水と共に流れるワケでも無く、しっかりと私の中で確かなモノとして残った。
「てか、マッキー遅いなー。トイレ混んでんのかな?」
みのりん達が遅いのは仕方ないとしても、みのりん達よりも先に出たマッキーが戻って来ないのはおかしい。マッキーの携帯に連絡を入れるも、既読もつかない。