【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
けど、点差は更に開いていき、烏野の攻撃のリズムはどんどん早くなっていき、上手く攻撃に繋がらなかった。烏野はセッターを変えたけど、それでも開いた点差が逆転する事は無く、第一セット、青城が先取した。このままストレートで青城が例年通り駒を進めていく。ここにいる誰もがそれを疑わなかったと思う。けど、第二セットを取ったのは青城では無く、烏野だった。
「ああ…っ!」
第二セットのラスト。止められた岩ちゃんのスパイク。みのりんは嘆声を漏らした。
今の場合なら、多分センターからの速攻がベターだった。けど、虚を突くようにレフトに上げられたトス。なのに、烏野のセッターとミドルブロッカーは岩ちゃんにトスが上がると分かっていたようにブロックを跳んでいた。
青城側のベンチを見れば岩ちゃんがスマンと悔しそうに頭を抱え、叫んでいた。あの場面、自分のスパイクが止められセットを落としたとなると精神的にくるものがあるけど、及川くんといつも通りのやり取りをしてる姿を見るに、元気そうで少しだけホッとした。
「郁ごめん!溜息ついた!」
「え?なんで私に謝るの?」
「一番悔しいのはスパイク止められた岩ちゃんだろうけど、その次に悔しいって思ってんのは郁だから。」
「そりゃあ悔しいけどさ。」
「旦那のスパイク止められたら妻としては悔しいよね。」
「ちーちゃん!」