【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
相手チームのサーブから始まった試合。及川くんのツーアタックで青城が先制。初っ端から強気のプレーに思わずゾクゾクした。男子と女子は体の作りが違うし、筋肉力や運動力も違う。だから同じ舞台に立つ事はこの先一生無いけど、及川くんを見てると、その才能を直に感じたいと思ってしまう。普段は王子様みたいな感じなのに、コートに立つ及川くんは全くの別人だ。女の子達が声を上げるのも納得出来る。けど、私がカッコいいって思うのは、
「及川くん、またツーアタック!?」
さっきと同じモーションからの岩ちゃんへのセットアップ。岩ちゃんの力強いスパイクは相手コートへと振り落とされた。
「…っ!」
やっぱりカッコいい…!岩ちゃんのスパイクに思わず鳥肌が立った。周囲からは及川さんカッコいいと声が上がってるけど、今のはあのタイミングでスパイクに入ってきた岩ちゃんがカッコいいでしょ!と思わずにはいられなかった。
何かに一生懸命になれる人はカッコいいと思う。スポーツが好きなせいか、スポーツをしてる人は余計カッコよく見える。というか、尊敬というか、まあ、そんな感じ。それは今も昔も変わらない筈なのに。…何だろう。岩ちゃんだけは、何かちょっと違う。何が違うのかって聞かれたら、説明は出来ないけど。
「郁、うちの旦那のが凄いのに、って顔してんね。」
「だって今のは岩ちゃんのスパイクが…!って、ちーちゃん!旦那って何!?」
「えー?そのまんまの意味でしょ。」
「岩ちゃんはそんなんじゃないから!」
「ふーん。」