【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
「岩ちゃんねー?」
「ああもう…っ!うるさい!黙って!」
コンビニで岩ちゃんと別れてからニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべ、私の顔を見つめるお兄ちゃん。
「郁が可愛く見えるとか、眼科行った方がいいかもな。」
「お兄ちゃんホントうるさい!黙って!」
家族、それもこの馬鹿兄の前で可愛いなんて、岩ちゃんのバカバカ!可愛いなんて言われた事ないからどんな反応したらいいか分かんないし…!ていうか、そもそも可愛くないから!女の子らしさとは無縁だし、怪力だし、そこら辺の男の子相手でも負けない自信だってある。可愛いっていうより男らしいって言葉の方が言われ慣れてるし。
『永野は普通に可愛いと思いますけど。』
その言葉に嘘偽りも無いと言わんばかりの真っ直ぐな瞳。その真剣な瞳からそれが冗談とかで言っているのでは無いと分かった。岩ちゃんの言葉は本当に心臓に悪い。岩ちゃんにいつもドキドキさせられっぱなしだ。これじゃあまるで女の子みたいだ。…いや、女だけど。
「リンゴみてー。」
「うっさい!」
気持ち悪いニタニタ顔を浮かべる兄のお尻に思いっきり蹴りを入れてやった。