• テキストサイズ

【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです

第2章 女の子


「おい。」


 お兄ちゃんに手を引かれ、何故かお兄ちゃんの背中に庇われた。


「ガキが一丁前にナンパなんかしてんじゃねーぞ。」


 私より背の高いお兄ちゃんだけど、一般的にはお兄ちゃんも私と同じく大分小柄で、岩ちゃんの前に立つお兄ちゃんは余計小さく見えた。


「お兄ちゃん違うから!友達!」
「あ?なんだよ?ダチかよ!」
「岩ちゃん、これ、私のお兄ちゃん!」


 岩ちゃんはお兄ちゃんに会釈をし、岩泉ですと短く挨拶をした。


「まあ、こんなちんちくりん好き好んでナンパなんかしねーわな。」


 お兄ちゃんに乱暴に頭を撫でられ、乱れた髪を直した。いや、まあ確かに同年代の子と比べたら子供っぽいとは思うけど、岩ちゃんの前でちんちくりんとか言わなくたっていいじゃん…!岩ちゃんがいる手前、いつもみたくお兄ちゃんの言葉に反論出来ず、唇を尖らす位しか出来ないのが悔しい。


「永野は普通に可愛いと思いますけど。」


 岩ちゃんの言葉に私もお兄ちゃんも呆気を取られた。今、岩ちゃんなんて…?か、かわ…!?漸く追い付いた脳みそがフル回転すると、急に顔に熱が集まった。


「こうやって永野とダチになったのだって、そもそも俺が、」
「い、岩ちゃん!ランニングの途中だったんだよね!?引き止めてごめんね!もう遅いし、明日の試合に備えて今日は早く帰った方がいいよ!うん!私ももう帰るし!」


 岩ちゃんの背中を強引に押した。初めて触れた岩ちゃんの背中は思いの外広くて、筋肉で締まった、スポーツマンの体だった。自分とは違う体の作りに羨ましいと思うよりも先に、何でだか、触れちゃったという恥ずかしさが勝った。


/ 76ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp