【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
「あれ?永野さん一人?」
「あ、まっつん!お疲れ様!」
試合後だって言うのに、涼し気な表情のまっつん。これが女子と男子の体力の差かと思うと何だかちょっと悔しかった。
「みのりんとさっきまで一緒だったんだけど。」
そう言って視線を人だかりの方へ向けると、まっつんは納得したようで、みのりんも頑張るねーと声を漏らした。
「岩泉呼んでこようか?」
「いや、いいよ!試合後で疲れてるだろうし!それに明日も応援来るし!」
「そう?」
「あ、これ!良かったら皆で飲んで!」
リュックの中から買い込んだスポドリのパウダーをまっつんに渡すと、それを受け取ったまっつんは笑った。
「え?もしかして青城ってスポドリ飲まない?」
「いや、飲むよ。けどさ、」
「けど?」
「女の子からの差し入れって、なんかこう、手作りのお菓子とかそういうのばっかだからなんか新鮮で。」
確かにそう言われてみればそうかもしれない…!けど、お菓子作りっていうか、料理全般苦手だし…。そもそも、手作りのお菓子とか完全に頭に無かった。
「まあ、そういう所がいいんだろうけどね。」
「どういう意味?」
「こっちの話。」
意味深な言葉を残し、ありがとうと言ったまっつんは、及川くんに声を掛けると、そのまま去って行った。