【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
いざ試合が始まれば、及川くん率いる青城の試合は圧倒的で、流れるようなトスに、力強いスパイク。ブロックも、レシーブも流石強豪校。みるみるうちに点差は開き、
青城はセットを連取し、勝利を収めた。
「バスケの時も思ったけど、やっぱあの四人なんでも卒無くこなしちゃう感じだねー。」
「ね!あんなの見せ付けられたらバレーやりたくなってきた!」
「そう思うのはアンタだけだよ。」
「えー?そうかな?」
及川くんのトスも、花巻くんのレシーブも、まっつんのブロックもどれも洗練されていて一つ一つの動作に目を奪われた。けど、その中でも群を抜いて目を惹いたのは岩ちゃんのスパイクだった。気が付けばボールではなく、岩ちゃんばかりを目で追っていた。コートに立てば、他の選手の背が高い分、岩ちゃんは小さく見えるけど、それを感じさせない位パワフルで、誰よりも輝いて見えた。
「今日は青城これだけなんでしょ?」
「うん、そーだよ。」
「じゃあ外で待ってたら徹に会える?」
「さあ?」
「行くよ郁!」
「わ、ちょ、みのりん引っ張らないで…!」
みのりんに手を引かれ、観客席を出ると、既に人だかりが出来ていた。
「あーもう最悪!遅かったか…!」
その人だかりの中心には勿論、及川くん。試合終わって直ぐなのに、人気者は大変だなあ…。そんな事を思いながら遠目で女の子に囲まれる及川くんを眺めていると、よしと意気込んだみのりんはその輪の中に入って行った。