【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第2章 女の子
バレー部の自主練が終わる頃にはすっかり外も暗くなっていた。そして、解散後、前回と同じく送って行ってくれると言ってくれた岩ちゃんと一緒に夜道を歩いた。この間は岩ちゃんと話すのが楽しくて、延々と話してたのに、今日は上手く言葉が出なかった。岩ちゃんも自分からはあまり話さない方なのか、岩ちゃんも黙ったままだった。
「永野。再来週の土曜か日曜暇か?…インハイ予選あんだけど、もし良かったら見に来て欲しい。」
「…行っていいの?」
「おう。」
「じゃあ、ちーちゃん達も誘って応援行く!めっちゃ応援するから!」
そう言って意気込む私に、岩ちゃんは優しい笑みを浮かべた。その表情に何故か胸が高なった。
「応援はいい。条善寺も出んだろ。自分の学校応援しろ。」
そう言えばうちの男バレもそこそこ強いんだった。
「けど…!私は、青城…ううん。岩ちゃんの事応援したいから!あ、いや、でも、勿論条善寺も応援するけど…!ほら、別に他校を応援しちゃダメって事は無いでしょ!?だから、条善寺と青城、どっちも応援する!」
私の返答が可笑しかったのか、岩ちゃんは肩を揺らして笑った。その顔を見ると、何故か心臓がきゅーっとなって苦しくなった。
「んじゃあ、また再来週会えるな。」
「そうだね。」
岩ちゃんとまた会える。そう思うと、それが凄く嬉しくて、楽しみで堪らなかった。