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【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです

第2章 女の子


 初めて見る皆のバレーをしてる姿に思わず歓喜の声が漏れた。男の子のサーブやスパイクって、あんなに凄いものなの…!?女子とは全然違う…!遠くから見てるのに、その迫力に圧されそうになる。いつもニコニコ笑顔で王子様みたいな及川くんも、バレーをしてる姿は、男の子!って感じだった。これ、みのりんが見たら大喜びだっただろうな、なんて思いながら写メを撮った。


「岩ちゃん!」


 及川くんと名前を呼ばれ、上げられたトス。綺麗な放物線を描いたトスに合わせて岩ちゃんが跳んだ。宮城きっての強豪校である青城。皆が凄いのは当然の事。そんな事分かりきってたのに、初めて見る岩ちゃんのスパイクに思わず息を呑んだ。勢い良く叩き付けられたスパイクに、体が震えた。何かに一生懸命打ち込める人はカッコいいと思う。けど、そんな簡単な言葉で言い表されないような感情に声が出なかった。


「岩ちゃん、調子良さそうだね。」
「…別にいつも通りだ。」


 及川くんに背を向けた岩ちゃんと視線が交わった。鋭く、真っ直ぐな瞳。その瞳から目が離せなくなった。
 岩ちゃんと一緒にいると、今まで感じた事の無い感情が沸き上がってくる。


「何、二人して見つめ合ってんの?」


 花巻くんに茶化された岩ちゃんは視線を逸らした。交わらなくなった視線が何だか勿体無いと感じてしまった。


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