【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
離された筈の肩はじんわりと熱く、熱を持ってるような気がした。
「あの…さ。」
「ん?」
「岩ちゃんは私の何処が良かったの?」
その質問に岩ちゃんは声を上げ驚き、そのまま噎せた。
「大丈夫!?」
「…おー。つーか、なんで急にそんな事聞くんだよ。」
「だって、私岩ちゃんの事知らなくて…。でも、岩ちゃんは私の事前から知ってたんでしょ?」
勿論、それは本音だったけど、岩ちゃんから見た私はどんな風に岩ちゃんの目に写ってるのか。どんな風に思われてるのか知りたくなった。
岩ちゃんは眉間に皺を寄せながらも、ゆっくりと口を開いた。
「永野の事を初めて知ったのは去年の夏、うちの女バレと条善寺が練習試合をしてた時。うちは男子と女子使用してる体育館が違うんだけどよ、女バレの監督に用があって女バレが使ってる体育館の方に行ったんだ。そしたら、一人だけスゲー楽しそうにボールを追い掛けてる永野に自然と目がいった。小せえのによく動くし、よく笑う奴だなって思った。なんでか分かんねえけど、目が離せなかった。しかも、後から女バレの奴から聞けばお前バレー部じゃないって聞いたし、あんなにバレー上手いし、楽しそうにバレーしてたのに、それが妙に引っ掛かって。そんで次に永野を見た時はまた他の部の助っ人やってるし。けど、バレーの時と同じでやっぱり永野はそこにいる誰よりもスポーツを楽しんでた。スゲー奴だって思った。いつも遠くから試合を眺めてるだけだったけど、こないだ学校帰りにたまたま永野見掛けて、気が付いたら永野の手、掴んでた。」
そう言われ、先日の告白を思い出した。
「喋るようになってそんなに経たねえけど、永野に惹かれてた気持ちが間違えじゃなかったって思ってる。知れば知る程、お前のいい所ばっか見えてくる。」
「いい所…?」
「今日見つけたのは、ごめんじゃなくてありがとうって言う所。」
そう言って優しく笑う岩ちゃんを見て、ドキドキした。
「永野。俺、やっぱお前の事好きだ。まだ知り合って間もねえし、別に付き合って欲しいとか言わねえ。けど、それだけは覚えてて欲しい。」
「…うん。」