【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
いつもはちーちゃんと帰る道を岩ちゃんと二人で帰るのは何だか不思議な気持ちだった。中学も違うし、高校も違えば、部活も違う。あの時岩ちゃんが声を掛けてくれなければ、多分知り合う事も無かった。けど、そんな岩ちゃんの隣を今歩いてる。
「岩ちゃん、今日は部活休みなのに、練習試合応援来てくれたり、その後もバスケ付き合ってくれてありがとう。」
「おう。」
「皆、本当にバスケ上手いからビックリしちゃった!私も皆みたいに背が高ければなー。」
残念乍身長に恵まれなかった私は隣を歩く岩ちゃんを見上げ苦笑いを浮かべた。別に身長が低くたってスポーツは出来るけど、もう少し背が高ければ、と思う事もある。未だ身長に対する執着心が拭い切れず、牛乳が手放せない。
「そのままでいいんじゃね?」
「でもさ、やっぱり憧れちゃうよ。岩ちゃんみたいに背が高ければ、見える景色も変わるんだろうなー。」
「…んな事ねえよ。俺、背低い方だし。」
男子の平均からすれば、充分岩ちゃんも背が高い方だと思うけど、他の三人が岩ちゃんより背が高いせいか、そう思ってしまうのも無理は無いのかもしれないけど、私からすれば岩ちゃんも巨人だ。
「永野。」
突然岩ちゃんに肩を抱かれ、岩ちゃんの方へ引き寄せられた。そのまますっぽりと岩ちゃんの胸に体が収まった。それに思わず顔を赤くすると、そのすぐ隣を自転車が走って行った。
「あ、りがとう。」
岩ちゃんと話す事に夢中になっていて自転車に気付かなかった。
「悪い。」
パッと岩ちゃんは私の肩から手を離した。岩ちゃんも恥ずかしかったのか、視線を外し、薄らと赤くなっていた。スマートにこういう事やるくせに、岩ちゃんって結構照れ屋さんだよね。