【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
いざ試合が始まってみると、バレー部だというのに、四人共本当はバスケ部なんじゃないかと疑いたくなる位バスケが上手かった。時間を忘れ、ガムシャラにボールを追い掛け、気が付けば辺りは真っ暗だった。
「久しぶりにこんなにバスケしたよ。」
「ねえ、本当に四人共バレー部なの?上手すぎない?」
「そういう郁ちゃんだって、帰宅部なんて勿体無い位いいセンスしてるよね。」
「私、体動かすの好きだから!」
「バレーも上手かったしねー。これで郁ちゃんが男で青城に通ってて身長がもう30cm位高ければうちに欲しかったよ。」
「ねえ、それって注文多過ぎない?」
及川くんってキラキラしてて王子様みたいだけど、話してみると、凄く話しやすい。
「てか、なんでバレー上手いって…?」
及川くんが見たのはバスケの試合で、私がバレーをやってる所なんて見たはず無いのに。
「ああ、それはね、前うちの女子バレー部との練習試合の時に郁ちゃんが来てたから。」
そう言われてみれば確かに、バレー部に助っ人を頼まれた時に青城に行った事がある。
「俺はちょっとしかその試合見られなかったけんだけど、いい動きするなーって思ったよ。」
「ありがとう!」
強豪校のバレー部の主将である及川くんに褒められ、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
「しかも、凄く楽しそうにバレーしてるしさ、見てるこっちまで楽しい気分になっちゃうよね。」
「何だかそんな風に言われると照れちゃうなー。」
「まあ、それ言ってたの岩ちゃんなんだけどね。」
「え?」
「これ、岩ちゃんには内緒ね。」
唇に人差し指を当て、悪戯な笑みを浮かべる及川くん。思わずその言葉にドキッとしたが、それは及川くんがカッコいいからとかではなく、(いや、実際は本当にカッコいいんだけど)岩ちゃんにそんな風に思ってもらっていたという事実になんだか妙にドキドキした。