【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
そんなこんなしていると、体育会系らしい元気な声が体育館に響いた。
「ちわー!宜しくお願いします!」
相手チームのジャージに記された高校名を見て、私は思わずみゆみゆの肩を揺さぶった。
「あれってさ、和久谷南じゃん!?ねえ、みゆみゆ!和久谷南!?」
「うん、そうだよ。」
「どうやって練習試合取り付けたの!?和久谷南って言ったらバスケの強豪校じゃん!」
「だから郁に助っ人頼んだんでしょ。絶対勝てとは言わないけど、トリプルスコアとか絶対嫌だからね。」
「大丈夫!私、相手強いと超燃える派だから!」
相手チームに目をやると、同じ女子高生とは思えない高身長。ガタイもいい。やっぱり強豪校と呼ばれる所は呼ばれるだけあって、強そうな選手が揃ってる。
「こんにちは!私、永野郁って言います!宜しくお願いします!」
そう言って我先にと相手チームに挨拶に向かうと、鼻で笑われたような気がした。否、笑われた。
「一年生?元気いいね。宜しく。」
「三年です!」
気合いを入れてそう返事をすると、他の選手にも笑われた。なんか感じ悪いな和久谷南。
「せいぜい怪我をしないようにね。」
「お心遣いあざっす!」
頭を下げ、笑ってみせると、なんだコイツと言わんばかりの視線を送られた。馬鹿にされたんだろうけど、それは別にどうでも良かった。バスケ部でも無い私が、バスケの強豪校である和久谷南と試合が出来る機会なんてきっとこれっきり。だったら、目の前の試合楽しまないとね。そんな気持ちで試合に挑んだ。