【HQ】岩ちゃんが男前過ぎて今日も私は死にそうです
第1章 大胆な告白
「じゃあ三人共楽しんで来てね。」
「郁も試合頑張ってね。」
及川くんに会えるのが余程嬉しいのか、浮き足立つみのりんと、対照的に不機嫌そうなマッキー。マッキーの機嫌を取ろうと右往左往するちーちゃん。なんだかんだ言いながらちゃんと付き合ってあげる所がマッキーらしい。
勿論四人仲良しだが、みのりんとマッキーは一年生の頃からずっと同じクラスだったから一際仲がいい。あんまりにも仲がいいから、二年生に進級し、マッキーと同じクラスになった時は、私とちーちゃんと同じで、二人は幼馴染みかと思ってしまう位だった。マッキーは口煩くみのりんの恋愛事情に口を挟むけど、それはマッキーが本当にみのりんの事を心配しての事だと私やちーちゃんも分かってるし、みのりん自身もそれを分かってる。だから、ああやって言い合いになるけど、結局は仲良しなのだ。
三人を見送り、私は急ぎ足で体育館へと向かった。
「郁、ほんっと今日はありがとう。活躍、期待してるから!」
「うん!超頑張る!」
右手をぐっと握り締め、出来た力コブを左手でバシバシ叩いて気合いを見せる。
試合の助っ人に呼ばれ過ぎたせいか、二年生からも先輩頼りにしてます!と声を掛けて貰えた。まだ入ったばかりの一年生は誰だコイツと言わんばかりの目を向けていたので、取り敢えず、にっと笑ってみせた。それに釣られて一年生達は戸惑いながらも笑顔を見せてくれた。
今日の練習試合は条善寺で行われるらしく、相手チームが来るまでバスケ部員と共に練習に入る。体育の時間でも無く、バスケ部員で無い私が、バスケ部員同様、さも当然のようにコートに入りバスケが出来るなんて、なんて役得だろう。私の身長があと50cm位高ければダンクとか決められたのにな、なんて、途方もない夢のような話を想像し乍ボールをゴールに放り投げる。綺麗な放物線を描いたボールは綺麗にゴールへと収まった。
「今日も私絶好調!」
にっと笑みを浮かべ、ピースサインを出すと、みゆみゆに、次詰まってるからさっさと退いてと冷たくあしらわれた。