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よるがあけるよ

第1章 常闇のアンドロイド


傷付けるテクニックが低くとも、相手の攻撃を受けないようにすることを優先して戦えばほぼ無傷で帰還でき壊れて修理する手間も無くなる。
特攻して揉み合いになりながら敵を倒すよりも比較的安全で、たまにしかバンカーに戻らない彼女にとっては効率の良い戦法だった。
ろくに見えない視界の中、ポッド107の灯りと勘を頼りに敵の攻撃を避けていく。
仮に避け損ねてしまってもポッド107がガトリングやレーザーで援護をしてくれるから、10Dは敵に囲まれながらも臆せず剣を振るった。
機械生命体の数は徐々に減り、あとほんの数体で片が付く。
『……ポッド、目的の資材は?。』
「回答:残り1品目。目の前の機械生命体から回収できる確証は無し」
『面倒だなぁ……ちゃんと拾えればいいんだけど。』
余裕が出て来たところで言葉を交わしながら倒していく。
たまに足元に崩れ落ちた機械生命体の破片に躓きながらも、順調に数を減らした。
「報告:被害軽微」
『いえーい。』
周辺の機械生命体を全て破壊し終えた彼女らは拳を互いに重ね合わせた。
『じゃあ、とっとと回収してキャンプに戻ろう。』
ポッド107に周りの地面を照らさせながら目的の資材を探した。
『あ……あった。これかな?。』
「回答:目的の対象ではあるものの、欠損が見られる。推奨:比較的破損・欠損の少ない資材を探す」
『そっかぁ。もうちょっと丁寧に倒せば良かったな。』
10Dは壊れた資材を投げ捨ててまた探し始めた。
「疑問:丁寧な倒し方とは」
『えー?。なんかこう……部品と部品の境目に刃を入れて的確にトドメを刺すとか……。』
「疑問:10Dの戦闘能力の低さと理想とする方法の精密さ」
『そういうのいいからー。』
ポッド107をぺしぺしと叩きながら10Dは足元を見回した。
「報告:機械生命体のコアを発見」
『あ、本当だ。良い値で売れるからこれも持って帰ろう。』
拾い上げた機械生命体のコアを小脇に抱え、また目的の資材を探し始める。
『あった。』
「報告:こちらにも落ちている。推奨:拾う」
『そっちにも落ちてる。1度見つけると、案外すんなりと探し出せるもんだね。』
面白いほどに次々と見つけ出しては目的の資材を拾っていく。
今回の目的の資材である形状記憶合金は最低でも5個は集めておきたい。
たまに大きな傷や欠けのある物も見つかるので、使えそうな物だけをポシェットの中に収めた。
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