第1章 髪飾り【エレン・イェーガー/甘】
やばい、教官か?って思ったけどこんなに子供の声ではない。目を凝らしてみると私が苦手とする人物だった。
『お前………だっけか……』
『え、なんで私の名前……』
『お前いろんな意味で目立つからな!』
なんだそりゃ、とツッコミを入れたくなった。
『こんな夜中に何してんだ?探し物か?』
『えっ、あー………』
『もしかしてお前がいつもつけてる髪留めを探しているのか?』
『なっ、』
なんで知ってるの、と言葉にだそうとする。こういうことに限って察しがいいんだから。もうちょっとはミカサの気持ちに気づけよ………
『ああ、すまない!その、訓練の時いつもつけてたし、いつも大事そうに保管してたから大事なものなのかな…って。』
『あー……うん、そう。探してるの。でも大丈夫、すぐ見つけるから』
おやすみ、とエレンと別れようと思うと、手首を掴まれる。
『何言ってんだよ、こんな広いところ探すなんて無茶だろーが。俺も手伝う。』
『っへ……ちょ、なんで』
『大事なもんなんだろ?』
『え、エレンには関係ないと思う、けど』
『そーだけどよ………なんかお前のそんな顔みて置いていけなくなった、って言うか………』