第1章 髪飾り【エレン・イェーガー/甘】
部屋には戻っていないから部屋にはあるわけがないし………
うそ、いつ外れたんだろう。そしてどこに落ちているんだろう………
『そ、そう……?たまには女の子らしいところを、ね』
『はぁ?お前そんなガラじゃねぇだろ』
しれっと失礼なことを言ったジャンを無視する(だからモテないんだよ)
今は夜だし、明日探したいところだけど………あの髪留めは………だめ。
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『ここにもない………』
夕食をとった後、ライトを照らしながら真っ暗な訓練所で髪留めを探していた。落とすと言ったらここしかない。
とはいえ、このだだっ広い訓練所を探すのは骨が折れてしまう。
明日の朝までかかっちゃうかも。
草むらをかき分けて手探りで探しているため、手が傷だらけで若干血が滲んできている。
はぁ、と溜息をつき不安や痛さで目尻に涙が溜まる。
『そこに誰かいんのかー?』