第1章 髪飾り【エレン・イェーガー/甘】
『なに?エレンが羨ましいの?』
『そんなんあたりまえだろーが。いつもミカサの近くに居られてよ。』
『ふーん………』
『お前はどう思ってんだ?』
目だけを私の方に向けて問いかけてくる。
『私?んー………特に何も。熱い人だなーとは思う。だから私はちょっと苦手かな』
『だよな、俺もあいつが気に入らねぇ』
じゃんと一緒にミカサたちのグループを見る。
『エレン、ちゃんと食べないとダメ。夜にお腹が空く』
『うっせぇな、お前は俺の母さんか!』
と、いつもの(?)やり取りを交わしている。
ジャンから『うらやましい………』と小声で言ってたことは聞かなかったことにしておこう。
『そーいやぁお前…………』
先ほど私を今初めて見たからなのか二度見をしてじっと見つめてくる。
『な、なに?』
ジャンの手がスッと伸びてくる。
『髪留めはどうした?』
『………っえ?』
私はいつも訓練中長い髪が邪魔で髪を一括りにするために髪留めを使っている。ジャンは私の長い髪に触れる。
『外しているなんて珍しいな』
『え、うそ、外れてる?』
外した記憶はなかった。服のポケットに手を突っ込んでもなかった。