第5章 お仕事【エルヴィン・スミス/微裏】
私はキッチンに向かい、ホットミルクをつくる。ホットミルクは毎晩飲んでいる。体の中からとても温かくなって眠りやすくなるからだ。んん、飲まなくても快眠なんだけどね。
ミルクを沸かしてお気に入りのマグカップの中に注ぐ。
そして、こぼさないように部屋へと移動していると。
『あっ……………』
何週間かぶりに見た愛しい人の姿。
私の姿に気づいたのかうっすらと微笑み近づいてくれる。
心臓がバクバクしている。
『こ、こんばんは………』
『………やあ。なんか久しぶり、だね』
会話がどことなくぎこちなくなってしまう。
『えと、分隊長お出かけですか?』
『いや、トイレの帰りだ。仕事がまだあるんだ』
もうこんな時間なのにまだお仕事が……………
『そう、なんですか………お疲れ様です』
『…………それはホットミルクか?』
分隊長の目線は私の手元に向いている。
『あ、はい、そうです。毎晩飲んでいるんです』
『…………私にも入れてくれないか?久しぶりに飲みたくなった』
おもわぬ注文だった。
でも、分隊長に初めてされた注文に嬉しくなり
『はい!』
と返事をする。
『私の部屋に持ってきてくれるかい?場所はわかるね?』
わかります、と頷くとよろしく頼む、と部屋に戻る。