第4章 日常【ジャン・キルシュタイン/甘】
っえ、
何この『ドキッ』って
な、
なんでこんなにドキドキしてるの………
ジャンなんかに…………
な、何かの勘違いだろう。そう決めつける。
『……お前重くなったな』
絶対勘違い!!!!!
でも、一つだけ感じたことがある。
昔は私がジャンより力があった。追いかけっこだって私の方が強かった。はずなのに。
いつのまにか転びそうになった私を受け止められるくらいの力をもっていて、腕の筋肉も発達している。予想以上の『男らしい』体つきになっていた。
意識はしていなかったけど、声も低くなって大人っぽくなっていたんだなぁ……
『そりゃあすみませんねぇ』
しっかりと支えてくれた腕を離れて体制を整える。
『ありがと』
『明日のパンな』
『それはやだ』
『あっ、せっかく助けてやったのに』
うん、いつものジャンだ、
大丈夫、さっきのは勘違い。