第2章 ぬいぐるみ【リヴァイ/甘々】
『ど、どうぞ、』
『きたねぇな』
部屋に入るなり汚らわしいものを見る目で一瞥される。
『だから言ったじゃないですか………うわああっ』
私は慌ててベッドの上に散乱していた脱いだ下着を隠すように飛び込む。
『………見ました?』
『………馬鹿か。てめぇの下着見たくらいで欲情しねぇよ』
あっ、見られた…………そしてあっさりけなされた。
『そ、そうですよね………あはは』
『…………、お前あの兵士が好きなのか』
『はぃ!?』
『っ、うるせぇ』
こめかみに更にシワを寄せ目をしかめる。
『な、なんでそんなこと』
『いいから答えろ……』
『好き、ではないですよ………あ、友達としてはいい人ですけど。』
『そうか、ならあんなふうに色目を振りまくな』
『べ、別に振りまいてるわけじゃ………私はただ裁縫が好きなだけで…………』
『裁縫?』
ああ、そういえば、と兵長はなにか思い出したようだった。
『これもお前が作ったのか』
兵長が指さすのはベッドの上のたくさんのぬいぐるみ。
『はい、そうですよ。昔から作ってたんです。確かこれが一番最初に作ったぬいぐるみです。』
私は端にあった不格好な猫のぬいぐるみを手に取る。