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吾輩は猫たん

第2章 香ばしい香りに誘われて



「…欲しいの?」
彼の声に葵はまた耳をピクピクさせ、嬉しそうに尻尾がピーンと立っている。
(猫って玉葱ダメだったよね………まあいいか)
死んだらその時はその時だ、と彼は小さくハンバーグを切り分けて嬉しそうにする猫の目の前に置く。
「なう〜♪」
早速クンクンと香りを堪能し、小さな猫は口をあけてハグハグと食べ初める。…大丈夫らしい。
(ふ〜ん)
彼は黒い目で目の前の黒猫を興味深そうに見た。


葵は口の周りをペロリとひと舐めして、気になった口の周りを綺麗にする。
(もっと欲しいなぁ…)
食べ足りず潤んだ瞳で彼を見つめると、また少し切り分けてくれた。優しいなと思いながら、ハグハグと食べる。それを彼等はまた何度か繰り返した。

暫くして、テーブルの上のものを全て食べ終えた彼はガタッと態と音を立てて立ち上がる。
「よし、行こうか」
「にゃう?」
彼は葵の小さな身体を片手で持ち上げ、脇に抱えた。
(何?!何?!何?!)

挙動不審にバタバタと手足を動かす黒猫を気にせず、彼は楽しそうに猫たんを連れ去った。


彼の名前は、イルミ・ゾルディック。


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