第11章 ヤキモチと本音
あ…プレゼント…
ぐしゃりと潰れた箱をみて、
渡すか悩んだけど、正直にイライラして潰したと伝え
由佳に渡した。
包みを開けふたを開けた由佳は
「うそ…コレ欲しいって蛍に言ったことないよね…?なんで…」
「欲しかったモノなの?」
あの怪しい店主もなんだかんだ言って
由佳の事わかってたのかな…?
「そう。でも持ち合わせがなくて、買わなかったら、そこのオーナーさんが縁が繋がればあたしの元に来るって…だからびっくりもしてる…」
「へーあそこの人変な人だよね」
「え、あーそうだね。変わってるよね…あの、着けてみてもいい??」
「え?あ、どうぞ…後ろ向きなよ。僕が着けてあげるから」
「ありがとう…」
着けた姿はまるでオーダーメイドのように
サイズもバラが目立つように一番小さいところで
月も丁度良い場所でゆらゆら揺れている。
嬉しそうに頬を緩める由佳に、僕も嬉しくなって…。
「これ、学校にも着けていけるかな?」
「うちの学校ゆるいから大丈夫じゃない?」
「着けて行っていい?」
「好きにすればいいデショ」
「ふふふ。やった。」
そうやって嬉しそうに笑うから
つい抱きしめたくなってしまうんだよ。
帰ろうか
というと名残惜しそうに頷く由佳
ふとあの時のように左手が温かくなって…
手を由佳が掴んでる。
「やっぱりこっちじゃダメかな…?」
って弱々しく言いながら手を緩めたから
僕がギュッと繋ぎなおすと
由佳の手もギュッと繋いできたので
そのまま何も言わずに、僕の家に連れて行った。
由佳はここどこ?と不思議そうにしていたから
「僕の家」
と伝えると、入れない!とか言い出して、なんで?と聞けば
急すぎて手土産持ってない!って。
大丈夫と言って家に上げると