第9章 言葉の使い方
そんな事を考えていたからか、ボーっとしていたのかもしれない。
ハッと気づくと後ろからぐいっと押されて
僕は態勢を崩して前に倒れてしまった。
「蛍もマッサージしよー!!」
なんて暢気な声がして、
お尻の方に由佳の重みがかかった。
「僕は別にいいからっ!どいてって!」
強めに言っても由佳は
「まぁまぁ、マッサージ位いいじゃん!大地さんもスッキリしたって言ってたよ?」
と言い張って退いてくれない。
無理やりどかしてもいいんだけれど
マッサージをしようとしてくれるという事自体は嬉しいから…。
ただ、してくれるのは嬉しいけど
正直みんなの前でこれはかなり恥ずかしい…。
細い指、温かく柔らかい掌で、痛くなくちょうどいい力加減で揉まれていく。
すごく気持ちがいい。
確かに硬くなっていた筋肉がスッキリしていく。
最後は腕をストレッチされ終わった。
正直名残惜しい…。
もう少しマッサージされていたい。
というよりも、
もう少し触れられていたいというのが本音だ。