第9章 言葉の使い方
キャプテンがびっくりした声をあげ、
というよりその場にいた皆がびっくりした顔をしていたら
「あたし、こう見えてマッサージ得意なんですよ!疲れ溜めておくとケガの元です!」
なんて…。
それ押し倒す前に言う言葉だよね…。
そう言ってキャプテンをマッサージしはじめた。
キャプテンも大人しくマッサージされている。
僕はモヤモヤ、イライラしながら、
でもその場からは離れたくなくて、
キャプテンがマッサージされるのをずっと見ていた。
足の裏から足、背中、肩、腕、
最後はストレッチでマッサージは終わった。
キャプテンは、すごく優しい笑顔で、
由佳の頭を撫でながら
「すごくスッキリした!ありがとうな!」
って言うと、由佳も凄く嬉しそうな顔で
「えへへ。お役に立てたなら良かったです!!」
なんて答えている。
僕だって…というよりここにいる全員疲れてるのに。
素直に言えば由佳の事だから
マッサージをしてくれるかもしれないけど。
それだけじゃなくて、さっきの三人が話し合っていた
どちらか?という結果が分かってしまった事と、
少なくともキャプテンには好意を抱いているんだろう…
という事が僕の心に黒色を混ぜてぐちゃぐちゃにしていく…。