第8章 瞳が月のように光るから
「グループ内で喧嘩になって…あたしそういうの苦手だったから一生懸命止めてたら、その子が【被害者ぶってないでよ!】ってあたしを突き飛ばしたんだよ。まぁ、相手からすればそう思うよね。でもさ、ケンカになってた場所が悪かったの。突き飛ばされた場所、階段の踊り場だったから…。そのまま階段から落ちてね。落ちた瞬間はよく覚えてないんだけど、右肩から落ちたらしくて。手術して完治はしたんだ。日常生活、体育くらいの運動には支障はないけど、激しい運動、特に肩に強い負荷がかかる筋トレなんかはダメだって。それって本格的にはバレー出来ないって言われたって事なんだよね…。それからはさ、皆、仲が良かったグループの子達でさえも腫れ物に触れるようになって…。みんな可哀想に。ってそれもあってか母親が宮城の転勤、一応、栄転だしって言いながら、こっちに引っ越してきたの。あたしのために受け入れたんだと思う。だからあたしは友達も色々なこと捨ててきたの。まぁ、母親と会う時間がもっと減ったけど。蛍達と会ってる時間の方が圧倒的に多いと思うけどね…はい。おしまい!そんな昔話でした。」