第6章 左隣と君
いつもはうるさい位なはずなのに今日の由佳はとても静かで…正直気まずい。
普段なら聞いてもいない事を喋りまくってるくせに。
まぁ、どうせ電車内だし煩くされても周りの迷惑だろうから、音楽でもとヘッドホンをつけると
ムスっとした顔で由佳が僕のヘッドホンを外して話がしたい!と訴えてきた。
「…。別に良いケド、由佳が話さないんデショ?いつもはうるさい位なのに…」
由佳が少し頭を斜めにして、何か思いついた!!と言わんばかりの顔で
「ならなら、今日は、蛍があたしの質問に答える!っていうのは?」
「………ハァ…くだらない、バカらしい内容じゃなければ別にいいケド?」
由佳は嬉しそうに、笑いながら好きなアーティストは?
なんて聞いても特に意味もない話をしている。
それでもまぁ、自分から聞くよりかは楽だったから。
聞かれたら答えて、質問で返せるから。
好きなアーティストはと聞かれ、答えたら、
君は?という感じで話らしい話が出来ている。
目的の駅に着くころには色々な質問にお互い答えていた。
それと同時にいつも通りの会話が出来ていて…。
ホント由佳には敵わないよ。