第5章 それが当たり前で
その夜、それはいつも通り、当たり前になりつつある、夜寝る前の由佳からのメッセージ。
《明日、3対3マッチだね!蛍頑張ってね♪応援してるから!!》
正直、こんな風に由佳から言われるのは嬉しい。
たかが部活の、勝っても負けても僕にはなんの得にもならない試合だけど。
由佳に頑張ってなんて言われたら勝ちたいって思ってしまうデショ…。
《まぁ、それなりにやるよ。》
《うん!じゃあ、早く寝なきゃだね!メッセ終わるの寂しいけど、明日も会えるし、試合だから寝不足厳禁だよね!おやすみなさい蛍(*^^)v》
…。本当に寂しいなんて思ってるのかは由佳にしかわからないけど、
そう言われただけで、
今日のモヤモヤして
イライラしているのなんてどこかへ行ってしまって…。
我ながらなんて単純なんだろう。
いつからこんなにも単純になったのだろうか
と思うと自然と口の端が上がっていた。
《はいはい。バカな事ばっかり言ってないで、由佳も早く寝なよ。おやすみ。》
いつもの通りに切り上げたけど、気持ちはフワフワしていて。
試合勝ちたいなんて柄にもなく思ってしまった。