第4章 そんな日常
今日から部活が始まる。
体育館についたら、そこには見慣れた姿がいた。
佐々木由佳と話をしているもう一人の女子はおそらく先輩マネージャーだろう。
由佳と同じ部活だとわかった時、柄にもなく嬉しくなってしまう自分がいて。
周りの先輩メンバーに軽く挨拶を終えると由佳がニコニコしながら僕らの方へと近づいてきた。
「蛍!グッチー!二人共バレー部だったの?!」
「…。僕がバレー部だったら、由佳は迷惑なワケ?」
相変わらずこんな言葉しか出てこない。
迷惑だなんて言われたら動揺するくせに。
そんな僕に由佳は
「何言ってるの?蛍がバレー部ならめちゃくちゃ嬉しいに決まってるじゃん!もちろんグッチーもだよ!」
なんて僕を気持ちよくさせる言葉を与えてくる。
「あっそ…」
そう言って僕は俯いた。
俯いたのは由佳に顔を見られたくなかったから。
表情には出していないと思うけど、流石に顔色までは操れない。