第4章 そんな日常
由佳が体育館に来た時に起こった事を聞き、面倒そうな奴らが入ってくるんだなと素直思った。
その流れかは知らないけど、キャプテンから次の土曜日
その問題児組と3対3マッチを行う事になり、
話を聞く限り問題児組の片方は
北川第一中のセッターだった奴だとわかった。
コート上の王様…。
「蛍、グッチー頑張ってね!楽しみだねぇ~!3対3とか!」
コート上の王様…そんな事なんて知らない由佳は暢気にはしゃいでいる。
それから僕たちは、練習を始め、由佳はマネージャーの仕事をやりに行った。
着替えを終え帰り支度を済ませ下駄箱に向かった。
下駄箱には由佳の靴がまだ置いてあった。
それを山口も見たらしく
「まだ由佳ちゃん終わってないのかな?」
「知らない。」
「ねぇ、ツッキー待っててあげようよ!」
「は?なんで?」
「いや…女の子一人じゃ怖いかなって…あと丁度帰り道だし…」
山口の語尾がだんだんと弱くなっていってるのがわかった。
でも僕はそんな山口に救われている。
僕からは、待っていてあげよう。なんて言葉、口になんて出せないから。
山口と二人で校門で10分ほど待っていると由佳は来た。
「あっ!ツッキー!由佳ちゃん来たよ!」
「山口ホントうるさい。」
「二人とも待っててくれたの…??」
びっくりしたような顔をしている由佳。
「別に…山口が待ってようってうるさいから…」
「ごめん!ツッキー。でも三人で帰った方が楽しいし、由佳ちゃんも危なくないし!」
迷惑だったのか…?と不安に思いながら、ちらっと見た彼女は
「二人ともありがとう!」
ってとても嬉しそうに微笑んでいた。
帰り道、相変わらず僕を挟んで話をする二人。
楽しそうに笑っている由佳を見ながら、
まぁ、こんな日常も悪くないな。
なんて思った。