第5章 4章 いつもと違う私たち
すこしだけ電車に揺られて目的地の駅に降りて。
それから5分程歩いて待ち合わせ場所のショッピングモールの噴水前についた。
さすがお昼時、結構な人混みだ。
だが、待てど暮らせど梨雄さんは来ない。
すこし遅れているのかもしれない。
そう思いながらしばらく待っていると梨雄さんからメッセージが届いた。
「今どの辺にいる?」
不思議な質問だ。私たちは確かに噴水前で待ち合わせをした。
私は迷わず
「約束した噴水前です。梨雄さんはどちらにいますか?」
そう返すとすぐに返信がきた。
「もしかして南口の噴水?」
確かにここは南口近くの噴水だ。
「はい、そうです。」
すぐに返信するとまたすぐに返信が着て
「あ、俺東口の噴水にいるわ。間違えてごめん。すぐにそっち行くからすこし待ってて」
そう返ってきた。
東口にも噴水があるんだな、初めて知った。
私は
「わかりました。待ってます。」
と返信したが既読はつかない。おそらく急いで向かってきているのだろう。私は変な気を遣わせてしまったなと思いながら梨雄さんを待った。
10分程たって、
「みおちゃん、待たせてごめん。」
後ろを振り向くと私服姿の梨雄さんがいた。
いつもは紺色のブレザーを着ているのに今日は黒いジャケットのようなものを着ていてけれど型にはまった感じではなくジャケットの下には白いシャツのようなものを着ていてすこし崩しているようなそんな格好をしていた。
私としてはとても新鮮だ。
見惚れている場合じゃない。とりあいず謝らないと。
「「間違えてごめんなさい」ごめん」
謝ると梨雄さんも被るように謝っていて、思わず二人とも笑ってしまった。
どうやら梨雄さんは駅から来ると近い東口の噴水にいてくれたようなのだが東口はすこし入り組んだところにあるためあまり行かない私はそれに気付かず、遠回りして南口の噴水に行ってしまったみたいで。
今度からはしっかり確認しようといいながら二人で笑いあった。