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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第7章 巌窟王


「――――させない!!」
 自らの魔術回路を意識し、礼装にセットされているスキルを発動させる。
「降り注げ、――――『イシスの雨』!」
 アヴェンジャーに掛けられていた呪縛は即座に解除され、アヴェンジャーはメフィストフェレスもどきの鋏が届くよりも早く、その鉤爪でもって、敵の胸を貫いた。霧散する、敵の霊基。

「アヴェンジャー、大丈夫……?」
 急いで、アヴェンジャーに駆け寄る。
「ああ、問題無い。」
 そう言いながらもアヴェンジャーは、ふーっと長い息を吐いた。流石のアヴェンジャーでも、焦ったのかな、なんて思ったけれど、口には出さないでおく。
「良かった……! ありがとう、アヴェンジャー!」
「俺も、お前に助けられた、な。」
 そう言うアヴェンジャーの声は、何となく優しいような気がした。
「ううん。でも、今はそれよりも……。」
 急いで、グラウンドを見下ろす。目視できる限りでは、残りのシャドウ・サーヴァントもどきは、残り4体にまで減っていた。どうやらあの激しい同士討ちは、私とアヴェンジャーが戦闘していた間も、止むことなく続いていたらしい。そして今も、シャドウ・サーヴァントもどき同士、お互いを潰し合っている。

「あ……。」
 こうして私とアヴェンジャーが見下ろしているその最中(さなか)ですら、エリザベートもどきが、カーミラを串刺しにしている。霧散する、カーミラもどきの霊基(カラダ)。しかしそれも束の間、そのエリザベートもどきは、ジル・ド・レェもどきの剣を、背中のど真ん中で受けた。断末魔の叫びが、辺りに響き渡る。
 シャドウ・サーヴァントもどき同士とは言え、随分と凄惨な光景だ。これも全て、アヴェンジャーのチカラなのだろうか?
 そんなことを考える暇もなく、ランスロットもどきが、ジル・ド・レェもどきに距離を詰める。消滅寸前のエリザベートの槍を、凄まじい勢いでジル・ド・レェへと投げつける。防ぎきれなかったジル・ド・レェは、その槍と共に消滅した。
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