• テキストサイズ

恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第4章 誓い



 アヴェンジャーは、そう言って、しばらく黙ってしまった。
 その理由は、明確だ。活動するだけの魔力が、明らかに足りないんだ。
 連続戦闘に、宝具の真名開放まで行ったのだ。これら全ての魔力を、私ひとりで賄(まかな)うなんてことは、本来ならば相当厳しいはずだ。アヴェンジャーのことだから、カルデアからの魔力をストックしていたり、その都度クラススキルで回復させたりはしていたのだろうが、それらには限界がある。特に、魔力ストックなんて、宝具を使った時点ですっかり無くなっただろう。
 アヴェンジャーの残り魔力量を調べるべく、パスに意識を集中してみる。でも、それはなぜか、できなかった。
「ねぇ、アヴェンジャー。本当に……、魔力、足りてる……?」
 もしかしたら、アヴェンジャーが、私に残り魔力量を調べられることを拒否している?
「……。」
 アヴェンジャーは、口を閉ざしたまま、何も答えない。
「アヴェンジャー、ってば……。」
「……、……通常戦闘ならば、問題無い。俺にはアヴェンジャーとしてのクラススキルもある。明日になる頃には、多少は回復するだろうよ。」
 少しの沈黙の後、アヴェンジャーはそう答えた。でも、その声には、いつもみたいな力は無かった。

「……。嘘だ、アヴェンジャー。嘘はやめて。それにさっきから、私の目を、見てくれない。」
「ハッ。嘘は言うななどと、どこぞの蛇女のようなことを言うな。我がマスターに、規格外の狂化スキルが付与された姿など、見たくもない!」
 アヴェンジャーは、やっといつもみたいに軽口を叩いた。でも、私が欲しいのは、そんなのじゃない。

/ 312ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp