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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第3章 憎悪


 端末を操作して、礼装が展開可能かを確認してみる。あ、大丈夫そう。
「えっと、アヴェンジャー。ちょっとだけ、向こう向いてて! 着替えたいから!」
「…………。」
 アヴェンジャーは、数秒間沈黙した後、「終わったら呼べ」と言って、祭壇横の小さな部屋へ入っていってしまった。もしかして、気を遣ってくれたのかな。
 私は急いで礼装を展開し、アトラス院制服に着替える。いつも着ている、カルデアの制服でも良いかとも思ったのだが、セットされているスキルを考慮すると、この状況では心許(もと)無く感じたのだ。アトラス院制服の強みは、僅かな時間とはいえサーヴァントに『無敵状態の付与』ができることと、『弱体状態の解除』ができる点だろう。アヴェンジャーは、確かに強力なサーヴァントだが、対魔力系のスキルを持たないことが欠点だ。それに、いざとなった時の防御面にも不安がある。それを踏まえると、いつもの礼装では、アヴェンジャーをサポートしきれない可能性がある。
 今、私が頼れるサーヴァントは、アヴェンジャーひとりきり。もしも、アヴェンジャーが充分に動けなくなれば、それは即ち私の敗北を意味する。アトラス院制服では、攻撃面のサポートが全くできなくなることが気がかりだが、そもそもアヴェンジャーは攻撃力が凄まじいので、それほど大きな問題にはならないだろう。

「アヴェンジャー、お待たせ。行こう!」
 着替え終えた私はそう言って、教会の扉を開けた。


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