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3Z(2)

第1章 1



朱音side

銀八先生は不思議

あたしの黒い塊を

いつの間にか取ってくれる


教室に戻ると神楽たちが心配して集まってきてくれた

「朱音!大丈夫アルか?」

『うん!ごめんね、みんな。あたしは大丈夫だから!ほら、神楽も!そんな顔しないで?』

神楽が泣きそうな顔をしている

みんなも心配そうな表情をあたしに向ける

「朱音」

月夜先生があたしに向かって歩いてくる

あたしも月夜先生の元へ歩む

『あたしは先生のことを許したわけじゃありません。ですが…勝手なことばかり言ってごめんなさい』

「朱音…謝らなければいけないのはわっちの方じゃ。本当にすまぬことをし…」

『やめてください』

月夜先生の言葉を遮ると、先生は綺麗な眼を見開いていた

『もういいです。それよりも今度はちゃんと見ておいてください。もうあの頃のあたしとは違います。何より一人じゃない、ここにいるみんなが付いていてくれます』

あたしは振り返って神楽たち3Zのみんなを見回す

「…そうじゃな。ぬしの眼を見ていても分かる。ぬしは本当の強さを手に入れたんじゃな」

『…はい。月夜先生、一年間よろしくおねがいします』

深々と頭を下げる

今までの謝罪も込めて

頭を上げると涙を堪えているだろう月夜先生の表情がいつもより

綺麗に見えた


ここであることに気が付く

『あれ?晋助は?』

教室のどこを探しても晋助はいなかった




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