第5章 5
「簡単なことさ。俺が朱音にそれだけのことをしたってことだろ?」
「お前朱音に何をしたんだ!」
葉の言葉に神威は笑う
「ははっ!知りたい?なら取引をしようよ。俺はまだ朱音と大事な話がある。けど今のままじゃ朱音は来てくれない。だから君達に俺と一緒に来てほしいんだ。もちろん、朱音にとって大事な人限定だけどね。その代わり俺達のことを全て伝えよう」
「…人質になれってことか」
「…さすが高杉。察しがいいね」
神威の珍しい汚ないやり方に、奴も焦りを感じているのが分かった
「…俺が行く。テメーらは朱音が来ないように見張ってろ」
「何言ってるんだい?高杉。それじゃ取引にも何もならない。全員来てもらうよ。銀髪の先生にも」
名指しで呼ばれた銀八は頭をボリボリ掻く
「言われなくても最初から行くつもりだよ。もちろん、こいつらもな」
3Zの奴らを見れば全員が覚悟を決めた眼をしていた
俺は自分の頬が緩んだのを感じた
今まで上部の付き合いだったコイツらを、正真正銘の仲間にした朱音はやっぱり凄い
「…死んでも知らねェぜ?」
俺はコイツらと一緒に、朱音を護るために動き出した
みんな、朱音を助けたい気持ちは同じなんだと
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