第5章 5
朱音side
昼休みも終わり、教室に入ると晋助がいた
あたしたちは今でも言葉を交えない
トシの気遣いが嬉しくてあんな強がったことを言ったけど、実際にはあたしは晋助のことがもう分からなくなっていた
それでも信じたい気持ちは嘘ではなかった
そして午後の授業も淡々と過ぎていき、放課後になった
「朱音、悪い。今日総悟の家に泊まることになったからご飯いらねェわ。ごめんな」
『あ、うん!分かった!』
「朱音、今日私兄貴と話してみるアル。すぐ近くにいるみたいだから、今日は一緒に帰れないネ。ごめんアル…」
『ううん! あたしは大丈夫だから、ちゃんとお兄さんに神楽の気持ちを伝えておいで!』
葉と総悟を見送り、トシたちは部活のために出ていく
…あれ?総悟も部活だよね?
そして神楽も見送り、妙ちゃんたちともバイバイした
一気に静まり返る教室
あたしは携帯を開き、もう一度神威からのメールを見る
神威が動き出す
そう思ったら怖くて仕方なかった
『…夜、一人か…』
あたしは呟くと教室を飛び出した
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