第8章 Happy birthday! ~サプライズバースデー~
「えええっ!そんな高価なものを。」
玄「いいんだよ。何せ君のお誕生日だこれくらいはしないとね。」
すると謙信が信玄を押しのけて出てきた。
謙「私の方が価値がある。コレをお前に。」
そう言って木箱を渡した。中を開けてみると翡翠でできた繊細な花の形をしたかんざしが出てきた。
「これも・・・。翡翠?綺麗。こんな素敵な物頂いてもいいのでしょうか?」
謙「こんなものでお前の価値に見合うか分からぬが、私からのほんの気持ちだ。気に入ったならいくらでも買ってやる。だから春日山城に来い。近くに翡翠が出る場所があるのだ。」
光「おいおい、玉の鉱山でも丸ごとやる気か・・・。」
ニヤリと光秀がほくそ笑む。
長「麗亞知っているか? 翡翠は五月の誕生石と聞いた。そして、自分の妻を守ってくれるというお守りだと聞いた。だからこれをお前に。」
そう言って信長も四角い綺麗な細工がされた箱を差し出した。
「まさか・・・・」
手に取って箱を開くと、綺麗なエメラルドグリーンの翡翠の腕輪が出てきた。それを信長が手に取り。麗亞の腕にはめてやる。
玄・謙「おいっ!」
信玄・謙信が慌てたように同時に声を上げた。それを見て信長がしてやったりと笑う。
「の・・・信長様・・・。」
他の武将も次々と色々なものをプレゼントする。
「みんな・・・・ほんとにありがとう!!」
ペコリと深々と頭を下げて皆にお礼を言う。さっきまでの不安と寂しさが嘘のように幸せだった。
こんな誕生日初めて。きっと一生に一度の幸せな出来事になるだろう。麗亞はそう思った。
その後も宴は続き。敵、味方の武将と相まみれ。その日はひと時の平和を楽しんだ。
幸「政宗さんって意外に楽しい人ですね~敵にするのは惜しいですよ~」
政「お前だって、いい奴じゃねーか!」
肩をがっちり組んで飲みあう二人。
謙「甘味を食べながら飲むとは邪道な。」
長「嫌、甘味こそ酒のつまみ。」
玄「悪いが謙信そこは信長に賛同するな。」
いがみ合ってる三人がほのぼのとした会話をしていたり。
「ふふっ・・・」
佐「喜んでいるようだね。良かった。」
「うんっ、なんか楽しい。これって奇跡・・だよね。」
佐「あぁ、君が起こしたとてつもない奇跡だ。」
空を見るとそこには丸い月が煌々と輝いていた。
-END-