第6章 Happy birthday! ~絶対体絶命編~
その後信長に呼ばれて天守までやって来た麗亞は説教されることを覚悟していた。
(仕方ないよね・・あんな危ない目にあっちゃったし・・・。)
「信長様、麗亞です。入ります。」
そっと襖を開けて中に入ると信長は部屋にはおらず外の廻り縁の所に腰を掛けて外を眺めていた。
長「こちらに来るがいい・・・。」
麗亞は信長の隣におずおずと座る。すると信長が腰に手を回した。
長「お前はいつも何をやっているのだ?危ない目にあったと思わないのか?」
チラリと麗亞を見る信長。
「ごめんなさい・・ご心配おかけしました。でも・・・信長様。静さんに何かしたんですか?あんなに怒るようなことを・・・。」
長「何・・・。あやつの父親が自分の娘を私にあてがおうとするから。私は断っただけ。もし我が城に来たいと言うなら、玩具としてなら連れて行ってやる。と言っただけだ。」
「酷い・・・そんな事言われると誰だって怒ります! 信長様も悪いんですよ。」
むうっと、怒る顔を見て信長はばつの悪そうな顔をする。
長「ほかに言いようがなかった。ああでも言わなければ安土迄くっついて来る勢いだったからな。まぁ、結果的には安土迄来てしまったのだが。」
「信長様はもう少しやんわりと断るという事を覚えた方がいいです。」
そういう麗亞に信長は
長「そういうお前も、もっと自分を大事にする術を身に着けるべきだな・・・。」
信長は麗亞を抱き寄せると首筋に顔を埋めた。
長「お前に触れていいのは俺だけだ・・・もう心配をかけるでない。」
「はい・・・。ごめんなさい。・・でもどうしてこの事が?」
長「不本意ながら今回は信玄に助けられた。信玄の手下の者が『お前の姫が危ない』と詳しく書いた書状を持ってきた。全く相変わらずふらふらと人の領地でウロウロしおって。」
「ふふふっ・・・」
長「笑い事ではない・・今日は仕置きをせねばならぬな」
「えっ? なにっ?・・信長様っ・・駄目。」
長「駄目では済まされない。今日は許さぬ。」
そう言うと。麗亞を軽々と抱え上げ部屋へと戻ったのだった。