第4章 Happy birthday! ~魔王の帰還編~
信長の理解力の速さには麗亞も本当にびっくりした。
「信長様みたいな人が現代に行ったらあっという間に大企業の社長になっちゃいそうです。ううん・・・もしかしたら総理大臣にでもなれちゃうかも・・・。」
長「『そうりだいじん』とは天下人のことか?」
「うんと・・・。国で政を行う一番偉い人ですね。総理大臣は、国の民が選挙をしてそして投票をして決めるんですよ。」
いつの間にか向かい合う形で信長は麗亞の物珍しい五百年後の世の中の政治についての話を聞き入っていた。
長「そやつが全てを動かすのか?」
「そうじゃないんですよ、ちゃんと総理大臣の下には色々な分野の大臣を置いてその人と協力して話し合いで決めていくんですそれが与党って言って政権を握った仲間達です。あと野党と言って、政権を握れなかったその他の勢力の人たちが虎視眈々と、与党の失態を暴いたり、つついたりして政権を奪取しようと狙ってたりもします。」
長「戦はしないのか?」
その問いに思わす苦笑すると
「その時代にはもう戦は有りません。日ノ本の国には。むしろ刀とか、銃とか、弓とかそういう武器を持っていたら警察に逮捕されますよ。」
長「本当に、世の中は平和になるのだな・・・。」
「私はあまり政治とか歴史とかは得意じゃないので、詳しくは聞かれても信長様の納得のいく説明ができないかもしれませんが・・・。あ、佐助君なら頭がいいのでそこら変は語れるんですけどね・・・。」
信長は佐助の顔を思い出すように考え込んで呟いた。
長「あやつか・・・・。謙信の優秀な忍びの。」
「佐助君も現代人なのに凄いですよね。四年で忍者になっちゃうんですから、頭がいい人は何をやってもうまくいくのですね。その点私なんか何も取り柄が無くて・・・。」
少し寂しそうな顔になった麗亞をみて信長は思わず手を伸ばして麗亞を抱き寄せた。
「信長・・さまっ・・」
頭を優しくなでながら信長は言い聞かせるように麗亞に言う。
長「お前は天下人の女になるのだ。それだけの魅力をお前は持っている。だからお前が卑屈になる事はない。もっと自信を持てばいいのではないか。」
信長を見上げて心配そうに告げる
「でも、私なんかで・・・。」
長「お前だからだ・・・。」
そう言うと、信長は麗亞にそっと口づけた。