第4章 Happy birthday! ~魔王の帰還編~
----5月8日早朝----
一週間ぶりに信長達が安土に帰るとの知らせに麗亞は浮足立っていた。
信長達の一行が安土に帰還すると言われた時間より小一時間前のまだ夜も明けきらぬ早朝から城の前でそわそわしていたがやがて、その姿を確認すると麗亞は真っ先に走って行った。
「信長様っ!!おかえりなさい!」
長「麗亞・・・。こんな早くに起きて待っていたのか?」
信長は麗亞の姿を確認し声をかけるとすぐさ馬から降りて。麗亞を引き寄せた。
長「変わり事はなかったか?長く城を開けてすまない。」
優しく指で頬を撫でられ、久しぶりなので恥しい気持ちと、なんだかくすぐったい気持ちになる。
「信長様こそ、疲れているんじゃないですか?」
頬を薄桃色に染め、上目遣いで信長を伺う。そんな二人の世界にどこかしら、咳払いが聞こえる。
秀「お館様、そんな所では皆が休めませぬ早く城に入ってください。」
少し、遠慮がちに言う秀吉。
家「はぁ・・・、早くお城に信長様が入ってくれないと、俺達ここで待ちぼうけですよ。いちゃつくなら後でごゆっくり。」
ちょっと嫌みな空気をにじませる家康。
三「その後様子ですと、朝寒い中かなり前から待っていたのではありませんか?麗亞様。早く入りませんと風邪をひかれては困りますよ。信長様。」
「あっ・・・ご、ごめんなさいっ!は、早く行きましょう信長様!」
長「あぁ、そうだな、頬がずいぶん冷たくなっているようだ、早く城に入ろう。共の者たちには温かい食事と休息を・・・。ご苦労であった。」
ハッ・・と共の家臣たちが声をそろえて返事をしたのを合図に、皆城内へと入っていった。
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「全員で朝餉なんて久しぶりですね。」
ニコニコしてご飯を食べる麗亞。
秀「で、如何でしたか?大名の領地の視察は?」
その問いに家康が気だるそうに答えた。
家「まぁ、大したことはなかった。そんなに盛ってる訳でもなし、特に特徴的な地形でも無いし、至って普通。」
長「まぁ、あれ位なら無理にこんな時間をかけて行くまでもなかった位だ。」
それに三成がキラキラした笑顔でポロリと言い放つ
三「凄かったのは静・・・。」
その瞬間重ねるように家康が三成の言葉をさえがる。
家「静かに三成」