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イケメン戦国~捕らわれた心~

第9章 政宗の花嫁


珍しい政宗の様子を
白雪は 楽しげに見つめている

(っ…たく 呑気な顔して)

「待てと言われるならば
何故待つのか
喜多に分かるように
お話下され 」

「……白雪は 特別なんだ」

「政宗様 特別だからこそ
きちんとした 教育を施して……」

「そうじゃない……」

政宗が
言い淀んでいると
白雪がおもむろに口を開く

「信じて頂けないかもしれませんが
私は 500年後のこの国で 産まれました」

「存じ上げております」

「えっ?」 「えっ?」

同時に
驚きの声をあげる二人に
喜多が可笑しそうに笑う

「ふふ……仲のお宜しいことで…」

政宗そっくりの
得意気な笑い方で笑うと

「信長様
秀吉様より伺っておりまする」

「何より
本能寺にて
空から天女が舞い降り
これを独眼竜が
我が物にした…と

もっぱらの噂でございます故
白雪様を知らぬ武将は
恐らく今の
日ノ本には居ないでしょう」

呆気に取られる白雪と
苦々しく笑う政宗

「喜多には 敵わん」

胡座をかいていた政宗は
両手を後ろに付き
体重を傾けると

脚を投げ出して
白雪の膝に頭を預けた

「このまま
お前を迎えることも出来るが

何も知らぬまま
当主の妻として収まれば

不弁があるのも事実だ…
やってくれるか?」

白雪の心情を探るように
膝上から仰ぎ見る

「勿論」

意気込んで答えた白雪に
笑みが溢れた

「そう言うと思った」

微笑み合っていると
喜多にぴしゃりと 脛を叩かれる

「なんです!人前で!」

「いてっ…」

「あっ…すっすいません」

恐縮する白雪
政宗は ばつが悪そうに
後頭部を掻きながら
起き上がる

「これでは 花嫁修業以前に
政宗様の躾を やり直さねば」

喜多は腕を組み
息を巻いた

「勘弁してくれ」

と政宗が笑う

「私は本気ですよ!」

分かった分かったと
白旗をあげる政宗に
白雪が思わず笑う

今後白雪は

「礼法」
「歌学」
「茶道」
「書道」
「芸事」

などの教養を
積む事となる

喜多が簡単に説明すると
白雪が居ずまいを正し
頭を下げた

「頑張りますので
よろしくお願い致します」

喜多はにこやかに
白雪を見つめ宣言する

「私は厳しいですよ
覚悟は宜しいですか?」

「はっ…はい!」

前途多難な様子に
苦笑いを浮かべる政宗だった
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