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イケメン戦国~捕らわれた心~

第9章 政宗の花嫁


「驚いたか?」

「驚き過ぎて疲れちゃった」

「ははっ…俺もだ」

「政宗…喜多さんに
育てられたんだね」

「あぁ」

「笑い方そっくり」

「そうかぁ?」

喜多と政宗の笑い方を
思いだして 笑う白雪


二人は
中庭の東屋に寝転がり
花の香りと
澄んだ空と

二人の時間を
楽しんでいる


「政宗にも 怖いものあるんだね」

白雪がうつ伏せになり
政宗を覗き込む

「怖くねぇ」

「うそ 叱られて言うこと聞いてたもん」

「うるせぇ」

「あ 拗ねてる」

「泣かされたいのか」

白雪の頬に 伸ばそうとした手が
意外な言葉に止まる

「ふふっ…でもちょっとほっとした」

「…ほっと…した?」

「政宗って
家柄もよくて
頭もよくて
強くて…何をしてても完璧で
なんだか…隣にいると
気が引けるって言うか…」

(何言ってんだ…
俺が強いって言うなら
完璧に見えるなら
それはお前の為に決まってんだろ…
気が引けるって…)

聞きながら
憮然とした顔になる

「でも政宗にも
怖かったり 苦手なものあるって
分かって ちょっと嬉しいなって」

ふにゃりと笑顔を作って
自分の顎を政宗の肩にのせる

(っ…なんだよ……それ…
弱みを見て嬉しいって…どうなってんだ…)

政宗を嬉しそうに
見つめる白雪に戸惑い
話を逸らす

「喜多は小十郎の姉なんだ」

「えっ そうなの?
…姉弟で政宗に仕えてるんだ」

「喜多には産まれた時から
色々仕込んで貰ったからな
…小十郎も俺も 頭が上がらない」

「そうなんだ……」

自分の努力や弱みを
白雪には知られたくないのに

それを知っても
白雪の気持ちが
自分から離れることはない

そんな自信もあり
言い得ぬ心境に揺れる

「小十郎さんは
知ってるのかな喜多さんが
ここにいるって」

「さぁな…」

小十郎は政宗の重臣で
長く不在だった間
ここ青葉城を護っていた
政宗の信頼する家臣

政宗の左目を
取り除いた男でもある

政宗が戻った今は
支城で公務に付いていた

「あいつの事だ 知らされなくても
どっかから 情報を仕入れてくるさ」

年上の幼馴染みを想い
優しく笑う

「会いたい?」

「止めろ 男に会いたいかなんて
気色の悪い事聞くな」

「っふ…ふふ 政宗 照れてる」

「っ…泣かすぞっ」

聴こえるのは
愉しげな悲鳴と笑い声
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