第9章 政宗の花嫁
「誰がお前を
側室にすると言った
お前が嫌がっても
俺の隣で生きるのは お前以外にない」
白雪がこちらを
瞬きも忘れて
じっと見る……
「う…そ…」
「今日 正式に断りを入れた」
「だ…だって…
家臣の人達が 来春の婚儀って」
「あぁ」
「だったら!」
「俺とお前のだろ」
「…‼」
言葉を失った白雪が
呆然と政宗を見つめる
「家臣達には 先に話したんだ…」
ぽつり ぽつりと 話し出す
「お前の 驚く顔が 見たくて
喜ばせたくて 黙ってた…」
政宗の顔が 苦痛に歪む
「俺が悪い…無駄に心配させて
誤解させて…きちんと話していたら…」
「っ…わ…たし…何してん…だろ
政宗の…きも…気持ちも…考えずに…」
半分笑って 半分泣いて
自分を責めて………
「勝手に…悩んで…ひと…りで…
ふらふらして…だめって…
言われて…たのに…ふっ…うっ」
堪えていた物が 堰をきって溢れ出し
痛む身体を震わせて 泣きに泣いた
泣き続ける白雪を
胸に仕舞う様に 抱いて
いつまでも いつまでも
「愛している」
と囁き続けた