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イケメン戦国~捕らわれた心~

第7章 紡がれる日々





着替えなどの簡単な荷物を
受け取り 離に戻る
部屋に姿は無く 庭へ目を向ける

(……湯に入ったか?)

白雪が岩場に腰かけ
長い髪を頭上に纏め上げている
普段は隠された真っ白なうなじが
陽に照らされて 眩しく政宗の眼を焦がす

ゆっくりと沈み白雪の
美しい肌が湯に溶けて 見えなくなる
堪らずその場で 全てを脱ぎ捨てた

滔々と涌き出てる湯音のせいで
政宗の足音は掻き消されている
直ぐ側まで来ても白雪が気付く気配はない

白雪の細い指が首すじを撫で
同じ様に二の腕や肩を湯で撫でる

湯から足先を出すと二つの手で
滑るようにに足先から太腿まで撫で上げる
その妖艶な仕草に思わず喉を鳴らした

(…っく……なん…て)

バシャ!
勢いよく湯に入り白雪の腕を掴む

「きゃあっ」

突然の奇襲に悲鳴をあげ 仰ぎ見る

「まっまさ…む……んんっ」

乱暴に唇を奪う
白雪の色香に酔い
自分を制することが出来ない

より深く奪いたくて腰を
引き寄せた刹那 白雪の顔が微かに歪む

「……っくそ」

僅かに残った理性をかき集め
白雪から静かに身体を離す

「…政宗?」

白雪が不思議そうに見上げてくる

(あぶねぇ…危うく熱に溺れ
白雪を壊しちまうとこだった…)

ゆっくりと息を吐き 己を律する
冷静さを取り戻すと 白雪の肩に手を回す

「お前が あんまり艷っぽくて
危うく 滅茶苦茶に抱くとこだった」

「っ…もぉ またそう言う殺し文句使う…」

「殺し文句?言葉で人は殺せないだろ」

「だいたい 忍び寄って来るなんてずるい!
驚いて心臓止まっちゃったらどうするの」

頬を膨らませ 背中をむける白雪
眼に映る全てが綺麗で 気を抜くと
白雪に酔い 溺れそうになる

「わかった わかった 悪かったって」

余裕ぶって 笑いながら
引き寄せ湯に浸からせる

「ほら 機嫌直せ 気持ち良くしてやるよ」

背中や肩の筋肉を ほぐすように
揉んだり押したりしてやると
気持ち良さそうに眼を細めた

「政宗 上手いね」

「そうか?
武術の心得ある者なら 皆こんなもんだろ」

「そうなの?」

意外そうに振り向いた白雪が
眩しくて 真っ直ぐ見れない
気付かれない様に平静を装い
手を動かすことに集中する

「あぁ 鍛練に怪我は付き物だからな
弟子を取るような強者は
骨接ぎとしても優秀なんだ」

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