第6章 貴方に夢中~短編集~
家臣達のように興奮する訳でもなく
淡々とした反応に
政宗の心中が気になった
「んー 俺は…」
片膝に肘を付き頬杖をついて
もう一方の袖口を
白雪に差し出した姿勢で
くつろいだ声を出す政宗
「知らない奴に
知らない所で褒められるより
好いた女に 褒められる方が100倍嬉しい」
政宗の言葉に胸が高鳴る 好いた女が
自分であって欲しくて 動けなくなる
「例えば お前とか」
そう言ってニヤリと笑った政宗に
またしても跡形もなく 溶かされていく白雪
もう一生敵わない そう思いながら
政宗から与えられる歓びに
夢中になる白雪だった