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イケメン戦国~捕らわれた心~

第5章 新たなる日々


「っ…こらぁーーーー!」


「あははは!」


「ごめんなさいっ…見逃して」


「まったく…」


「何処の小童かと思えば…政宗か」


「と、白雪だ!」


「ふっ 完全に毒されたな」


「どっちがどっちに
捕らわれたんだか…」


「政宗のあんな顔は久しいな」


「………あぁそうだな
…見逃してやるか」


「………丸くなったか?お前」


「光秀…
年寄り扱いは止めろ」


手を繋ぎ笑い声をあげながら
走り抜ける二人の後姿を
何処か眩しげに眺める


はぁはぁと息急き切りながら
楽しげに走る白雪につられて
政宗も笑いが込み上げる


そのまま部屋に
転がり込んだ


「ははっ…小言が嫌で
走って逃げるなんてガキの頃以来だ」


「はぁ…は…ふふっ…はぁ…なんか
想像…できる…」


「そうか?まぁ…
あんまり変わってないかもな」


「はぁ…政宗…全然息切れないね」


肩で息をして畳にへたり込む
白雪の頭を撫でながら答える


「柔な鍛え方してないからな」


「ふふっ…私も鍛えなきゃね」


「?」


瞬きして白雪を見る


「なんでお前が鍛える?」


「政宗に置いてかれない様に」


「俺が?お前を?ははっ…無いな!」


「ないの?」


「絶対ない
もう二度と離さない」


「じゃあ…足手まといにならない様
鍛える!せめて馬くらい乗れなきゃ…
今日までだって…」


そこまで聞いて
頭を抱える様に
抱きとめて髪に鼻先を埋める


「お前はそのままでいい…
俺が強くなるから
お前はそのままでずっと側にいろ
ずっと護ってやるから」


「政宗…」


「戦場でも言ったろ」


「ふふっ…うん」


急に頬を緩めた白雪を
不思議そうに見る


「…笑う様なこと言ったか?」


「お前を護るなんて約束出来ない…
とも 言われたなって」


「あぁ…その時は
…分からなかったんだ
自分の気持ちが……あの時まで」


絹の様に艶やかな髪を
指で弄びながら
その手触りを堪能する


抱き止めた腕に
確かな温もりを感じながら
そっと畳に押し倒す…


「白雪?」


反応の薄さを怪訝に思い
顔を覗き込むと…政宗の腕の中


案の定…寝息を立てる白雪


「ふっ…疲れた…よな」


呟くと政宗も
静かに目を閉じる
やがて二つの呼吸が
重なり混じり合っていく
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