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イケメン戦国~捕らわれた心~

第20章 十月十日~(新たなる日々)


京までの旅路
佐助と幸村と過ごした時間


楽しかった会話が頭をよぎり
思わず黙り込む


「…どうした?」


突然黙り込んだ政宗に
訝しげな視線を送る


「否…なんでもない
なんにせよ戦は避けたい
これから雪が降れば
雪中戦に馴れた
上杉軍が圧倒的に有利だ」


「あぁ…冬支度の前には
間者を動かす手筈だ
内部撹乱といこう」


「それで大人しく
引き下がってくれると良いが…」


「場合によっては
戦もやむを得ず…だ」


「上杉が
動けば武田も動くな」


「どの場合の準備も
抜かりなく進めている
その気がなくとも戦となれば
先陣を切るのが軍神…
一筋縄ではいくまい
長引くのは必至だ」


「…長引けば
和合に結び付かないか」


「通常なら
そうなるのが恒だが…
あの軍神が
首をたてに降るとは思えんな」


佐助と幸村…笑いあった記憶が
政宗の脳裏を過る


「あいつらとは…
戦いたくねぇな…」


政宗は
小さな声で呟いた


「戦わぬ様に
事を進めるのも戦略だろう」


「戦略か…」


「そう言えばお前…
集めた忍はどうなった」


佐助の事を
思い出している最中
突如として忍の事を問われ
一瞬口ごもる


「あぁ…蔵王山で修行させてる
三ヶ月たつな…そろそろ戻すか…」


光秀は気にする風でもなく
淡々と言葉を繋げる


「ならば初仕事をさせたらどうだ」


「…それもそうだな
越後の動きを見張らせるか」


「特に直江のな」


光秀が
喉を鳴らし低く笑う


「お前とは
犬猿の仲らしいからな
隙あらば挑んで来よう」


「あ~あいつか
…何かっていうと
突っ掛かってくる
まったく胸くそ悪い」


政宗は眉間に皺を寄せ
上杉家臣直江兼続の
気難しげな顔を思い浮かべた


「だが義に熱い男と聞く
家臣の勇み足をしれば和合に向け
明るい話し合いが可能な相手だ」


「話し合いなら
お前か三成の方が向いてる」


「駆けつける前に斬り合うなよ」


「善処する」


「ふっ…で忍はいかほどになった」


「集めたのは50
残ったのは30使えるのが
その半分と言ったところか」


「まぁ上出来だろう…」


「…黒脛巾組
家臣らはそう呼んでる」


「ほう…赤備えに対抗する
軍団となると良いがな」


「なるさ…
伊達の黒脛巾組
存分に恐れて貰おう」
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