• テキストサイズ

イケメン戦国~捕らわれた心~

第4章 隻眼の龍


「っ…違うの…秀吉さん…ふふっ
泣いたりして馬鹿みたいね」


「どうしたんだ?」


心配そうに除き込む秀吉


「大方…三成と家康の
じゃれあいを見て安心したのだろう」


光秀が白雪の心情を察し
代わりに答える


「うん…皆の変わらないとこ見たら
本当に帰って来たんだなって…
安心したらなんか泣けてきちゃった」


「そうか…」


「じゃれる…とは?
どういうことで…」


「黙れ三成…
白雪そんな事で泣かれちゃ迷惑」


「ふっ…難儀な性分だな」


秀吉 三成 家康 光秀が各々
声をかける


そんな様子を黙って
見守っていた信長がにやりと笑い


「そのような他愛ない事で
涙を流すとはな…
とても…愛した男の化身を
その身に彫り自慢げに
肌を晒した女とは思えん」


「!? じっ自慢げにって!そんなっ」


目を丸くして
抗議する白雪


「言えているな」


「全く突飛な事を仕出かす」


「顔に似合わず豪気な女子よ」


待ってましたとばかりに
降ってくる言葉の群に


悪戯を見つかった
子供のように笑って誤魔化す


「ふん…やっと泣き止んだか
もう夜も遅い…
早く帰って休むがよい」


信長は長い指でくしゃりと
無造作に頭を撫でると
秀吉を残し光秀と共に
廊下の奥へ進む


信長なりの思いやりに
また…胸が熱くなる


「そうだな…早く休め白雪」


「政宗
くれぐれも無理をさせるなよ」


心配事が後を絶たない秀吉


「皆さん宴は?」


襖の向こうではまだまだ
にぎやかな声が聞こえている


隣で見守っていた政宗が
それに答えた


「俺達がずっと上座に居てみろ…
とてもじゃないが
飲んだ気がしないだろ」


「あ…そっか…
ふふっ優しいねみんな」


家臣達が気兼ねなく
楽しめるように配慮するのも
政宗達にとっては大切な仕事の一つだ


「…どういう意味でしょうか?」


三成の疑問に秀吉が
ため息をつきながら


「説明してやるから来い」


と三成を連れて
部屋へ向いながら
後手でヒラヒラと手を降る


「はぁ…無駄に疲れた
……じゃあ俺もこれで」


家康が背を向けると
政宗も白雪の手をとり歩き出す

/ 284ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp