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イケメン戦国~捕らわれた心~

第14章 ピックアップ御礼記念~真夏の戦国武将~


「じゃあ移動しましょう」

佐助を先頭にぞろぞろと
浜辺を移動する

少し歩くと岩場が見える

「あの向こうです」

言われて岩場を回り込んで
歩いていくと…


先を歩いていた
家康や三成が
呆然と立ち尽くす

「どうし…」

二人に近付いてきた
幸村と政宗も
思わず立ち止まる

「えっ」

幸村が驚きの声をあげた
目の前のに広がったのは
信じられない光景

織田軍
竹田軍
上杉軍各々の家臣らと
顕如と共に暮らした
僧侶達の何人か
各軍の女中達の姿も見える

家臣の人数こそ
多くはないが
それでも総勢
100人はいるだろう

彼らも普段着や
浴衣に身を包み

浜辺に即席の囲炉裏や
焼き場を作って
食事の支度をしていた

「…どうなってんのこれ」

家康がやっと
言葉を絞りだした

流石の信長も目を丸くして
そのありえない光景を
眺めている

「…竹田軍上杉軍は佐助君が
顕如さんのお仲間には文を出して…
織田軍の家臣の皆さんは
私が説得したんです」

「お前が?」

政宗が驚いた顔で
白雪を見下ろす

すると武将達に
気が付いた家臣らが
その場に膝をつく

「…はい
今日だけは
身分も敵味方も忘れて
未来の為に犠牲になった
死者の魂を一緒に
弔って欲しいとお願いしました」

白雪が微笑む

「無防だとは
思ったのですが
謀反とは言わず
賛同してくれました」

「でもないだろう…
あの岩影から銃を
構えるのはどちらの軍だ?」

報告する佐助に
光秀が眼を光らせる

「あちらからも
狙って居るようだが」

信玄が反対側を指差す

「はい…両軍ともの保険です」

「保険?」

「万が一どちらかが
裏切った場合に備えて」

「ははっ…それで
こいつら納得したのか?」

政宗が笑うと
一番近くにいた家臣が
困ったように笑いながら応える

「…と言うか…白雪様に
あんな顔で頼まれたら…
断れる者は居りませんよ」

皆が白雪を振り返ると
潮風におくれ毛を
揺らしながら
艶然と微笑んだ

「…まったく…お前ってやつは」

秀吉がその美しい微笑みに
視線を奪われながら呟く

「貴様といると
誠に飽きることがないな」

信長が声をたてて笑う

「信じられない…
無防にも程がある」

怒ったように家康が呟き

「白雪様には
本当に驚かされます」

三成が唖然と白雪をみつめる
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